皆さんも是非やってみて!なかなかの効果があります。
せっかくだから選んだ10枚を紹介します。
タイムラインでは書いてはいけないルールだったからコメントを残しておきたかったんです。
DAY1: Beth Carvalho Canta O Samba da Bahia
初日に選んだのはこちら。これは直近の自分に最も影響を与えたもの。わたしが40目前にして出会った秀逸な一枚。
日本ではサンバ好きでもなければ知られていないアーティストだと思いますが、ブラジル、サンバ界では大御所です。美空ひばりみたいなもんでしょうか。
20代の半ば、わたしはサンバと出会い(ボサノヴァはサンバからの流れです)、すごく好きになった。その後、サンバと遠くなっていたわけですが、30代も終わろうかという頃、当時60歳ぐらいのこの大御所が発表したライブアルバムは、再びわたしをサンバの素晴らしさに引き戻してくれたのです。
この一枚のインパクトは絶大で、これに出会ってから、日々を暗い顔をして過ごすことのバカらしさを再確認。iPodで聴きながら歩いていると、世界が本当に素晴らしく喜びにあふれたものに見える、という、今の自分のあり方への扉を開いてくれた1枚。
DAY2:Queen JAZZ
ここからは子供の頃に遡り。
小学生の頃にQUEENと出会い、多重録音による重厚で音数のやたら多い、「完璧でスキのない音楽」に魅了されました。
アルバムは全て持っているのでどれを挙げても良かったけれど、このアルバムに針を落として(今はない動作!)1曲めの「ムスターファ」を聴いたときの衝撃。
歌は何を題材にしてもいいんだ! という衝撃でしょうか。
そして彼らの音楽は、子供だったわたしにとって「ロック」というカテゴリー分けは意味不明なものでした。ラベリングして満足したがるのはいつも大人たちなんじゃないかな。
QUEENは4人の天才が集まったバンド。フレディ・マーキュリー一人の才能ではない。ブライアン・メイのギターは自宅の暖炉の木でお父さんと一緒に作った、とかのエピソードも好きだった。
そして今、フレディは45歳で亡くなったんだ、ということに改めてショックを受けます。人生でやるべき仕事、役割をやりきった人は、その役割を終えて別な任務に就くため一旦宇宙に戻る。
DAY3:GODIEGO Our Decade
わたしにとって忘れてはいけないのはGODIEGOという日本の誇る天才集団です。
「西遊記」のサントラで彼らの存在を知って以来、大好きでした。チビの頃から音楽は英語のものばかり聞いて育ったので、全曲英語というのもしっくりきていたし、QUEENのような完璧な音が好きだったから、GODIEGOのように音数が多く、練りに練られたサウンド、独自の美しいメロディ、壮大な世界観の歌詞は違和感がなかった。
1枚のアルバムに1テーマのコンセプトがあって、その詩の内容にはものすごい影響を受けたと思います。作詞の奈良橋陽子さん、ものすごくかっこいい、偉大な存在でした。こういう人になりたいと思ったものです。
このアルバムは「70年代」をテーマにして、今思うとかなり辛辣な社会批判になっています。英語の勉強にもなった。中学生だったかなあ、、、、
DAY4:高中正義 Jolly Jive
こちらは中学だったと思う。友達が貸してくれた何かのテープのB面がこれだった。その友達は、多分お兄さんかお姉さんが高中を聴いていたものと思われる。
そういうわけで、何の予備知識もなく「Blue Lagoon」が流れてきたときの衝撃。爽快すぎる!こんなに美しい曲があるんだ!歌なんかいらないじゃん!と思ったものでした。
それ以降、ほとんどのアルバムを手に入れた。
この頃クラスに「T-SQUARE」とか好きな子がいたりして、他のインスト系にも興味を持ったけど、やっぱり高中が一番だった。
そんな彼も還暦を過ぎて、まだ現役で毎年ライブをやっている。3年前から、同級生と必ず行くことにしています。
DAY5:Pretenders Pretenders2
やっぱりわたしの中学ごろが一番音楽シーンが華やかだったと思う。いろんなジャンルの音楽があって、ヒットチャートは賑やかだった。この頃はまだMTVよりラジオの時代だったかな。よく聴いていたし、映像よりサウンドだけが情報として入る最後の年ぐらいだったかな。
プリテンダーズは、そんなわけで、どっちかと言えば割と装飾過多な音楽を好んでいたわたしの耳に、すごくシンプルでスキだらけのサウンドが心地よく、心を掴まれました。
この頃はJoan JettのI love rock’n rollとか、「強い女性」がセンターのバンドがあって、どれもインパクトがあった。でもわたしにはプリテンダーズのクリッシー・ハインドの声が、なんだかめちゃくちゃかっこ良かった。
「スタイルを持っていて、他人におもねることがない」というのが、どうやら自分にとってかっこよさの基準だったんだと思います。そういうのを良しとしていた。それはずっと変わることがありません。
DAY6:Sex Pistols Never Mind The Bollocks
発売は77年だから、数年後になって聴いたんだと思う。これも中学だったと思う。
まあ、この頃はロックですね、圧倒的に好きだったのは。ピストルズは、はしかみたいなもんで、ロック好きなら誰でも手を出す通過儀礼というか、そんなものじゃないのかな。
パンクロックというのは、それがひどく反抗的なものだ、というメディアによって、そうなのかなあ、、、という興味で聴こうと思ったんだと思うけど、当時の自分と当時のイギリスの状況はあまり近くなく、実感もなかったから、曲は好きだったけど、「女王に対する冒涜」はやっぱり実感がなかったよね(笑)
それでもやっぱり影響は受けたと思う。大人の言うことなんか信じない、という姿勢は好き。
でも、今の自分は何かに対する「反抗」や「抵抗」あるいは「反対」の表現をロックというのであれば、それは好きではありません。何かに「反対」と叫んでいたって、望む世界になるわけではありません。
それより自分が望む世界を、自分が勝手に体現すればいいだけだと思っています。その点は当時の自分とは大きく違うなあ。
DAY7:大貫妙子 カイエ
ロックが好きとはいえ、あらゆるジャンルのものを聴いていた中でも、高校時代に大貫妙子を知り、確実に影響された。
ということを、今回振り返りながら発見して、ハッとしました。
想像もつかない変なコード進行。声を張り上げない歌。フランス語の歌詞。大人であり少女である。誰にも似ていない。
とにかく洒落ている。「カイエ」を聴き、オシャレさ加減に面喰らい、慌ててこれに先立つ作品を「貸レコード屋」で求めたものです。
フランス好き、ヨーロッパ好き、という志向の扉が開かれたのはこのあたりからなんだろうなあ。それで、今回改めてCD5枚を大人買いしてしまいました(笑)
DAY8:MADONNA TRUE BLUE
もちろんデビュー当時から知っているマドンナ。と思ったが、違うね。Like a virginでブレイクして存在を知り、その後追い的にHolidayなどが紹介されたと思う。いずれにせよ、まあ、出てきた時から知っているし、みんな影響された。
彼女の主義主張のすべてが女の子の代弁者のようだったし、家族や宗教に対する発言は考えさせられた。そして、みんな赤い口紅をつけた。
でもこのアルバムが出るまでは、「流行りもの」で終わる存在だったかも知れない。アルバムの完成度はLike a prayerの方が上だけど、このTRUE BLUEが、彼女のその後の地位を作ったと思います。わたしも、この一枚で決定的に好きに。 Love makes the world go roundという素晴らしい曲は過小評価されすぎている。
高校卒業ごろだったか、大学1年だったか。以降、アルバムはすべて持っている。来日すれば必ず行く。もちろん今もです。
DAY9:Cartola
20代半ばで、このアルバムを貸してくれた人がいて、それがわたしとサンバとの出会いだったわけです。
素晴らしすぎた。
カルトーラ。偉大な詩人。哲学的で深遠な世界。シンプルでマイナーコード多用、涙が出てくる美しいメロディ。
素晴らしすぎて、サンバをもっと知りたかったんだけれど、当時はそんなにたくさんの音源を手に入れることはできませんでした。
というところで、それから15年ぐらいたってからの、Day1で紹介した1枚に出会う、、、というところに繋がるのです。
結局、今はもし何か一つしか音楽を選べないとなったら、サンバ以外にありません。嬉しくても楽しくても悲しくても惨めでも、どんな時でもサンバがあれば十分なのです。
DAY10:Wanda Jackson
ずっと振り返ったところで、わたしが音楽をこれほど幅広く受け入れているのは何故なんだろう?と考えると、それは幼少期の両親の影響によるところ以外考えられないな、と気づきました。
ものごころつくかつかない頃から、わたしは家で日本語のレコードというものを聞いたことがない。両親は音楽好きで、父は毎週何かしらのレコードを買って来ていたし、当時よく聴かされていたのはカントリー&ウエスタンでし
幼稚園の頃、このレコードが登場して、何故かわたしはこれをよく気に入り、親にせがんでかけてもらっていました。他のおっさんの声より好きだったのです。
言葉の意味もわからず曲に合わせて歌っていたし、思うに、英語は言語としてではなく、単なる音として捉えていたと思う。そのせいで、学校の授業として「英語」が始まっても全く抵抗がありませんでした。というより、「外国」に抵抗がないんだと思います。
結局はそういう原体験が、今につながる自分を作ったのかも知れません。