イイ占い、イヤな占い(2)

前回の続き。

イヤな占いの話ってのもあるよって話。

 

 

わたしの古い友人の話ね。

仮に名前を、そうねー、「象さん」だとしよう。

象さんね、なんかすさまじい境遇に生まれたんだよ。

境遇というのは、家庭のことだけど、母親(母象)がすさまじかった。

毒親というか、そんな生温い言葉じゃないというか。

 

 

端折ってゆーと、象さんが一生母象の「しもべ」になるように徹底的に教育した。れっきとした洗脳と言っていいレベル。

それだけで本が書けそうなぐらい長くなるからウルトラ端折るけど、ありとあらゆる「教育」で、象さんが一個の人間としての「標準的な人生」、

つまり誰かを好きになって、恋愛関係になって、肉体関係を持って、同棲するなり結婚するなりして家を離れ、独立した生活を幸せに営むことを困難にしたわけよ。

そこには当然、経済というか金銭的な「縛り」も含まれてるわけ。

ありとあらゆるものの見方、価値観が、

「他の人間を信じるな。この世で母象だけが正しい」

というようになるように育てた。

 

わたしとは大学の同級生なんだけど、友だちになって始めの頃は、彼女の言動の「違和感」がどこから来るのか不思議だった。

それがまー次第にわかっていくわけだよ、

「あんた、、、、その母親ヤバくない?」

とゆー風に。

 

でもさ、洗脳だから

「わたしはママといるのがいちばん幸せなんだ」と言うわけよ。

え、じゃあ逆に幸せって何よ?

と言うと

「ママといること。ママの面倒をみること」

「うちは一卵性親子だから」

みたいな。

 

グーの音も出ない。そー言われちゃうとねえ。

「あんたがそれでいいならいいけど、、、でもそれ違うよ?」

「それ相当気持ち悪い話だよ?」

わたしは言い続けた。

 

母象がどうやばいかというと、

象さんが5歳だかの時に離婚しているわけだが、その時からずっと

「男なんか女を捨てて出ていくもの。男は皆同じ、そういうもの。男なんか信じるな。自分のメシは自分で稼げ」

365日言い聞かせた。

「恋愛なんか頭の悪いバカがすること。どうせ捨てられる。愛なんか幻想」

とも言い続けた。

 

象さんが、ふむふむ、そーなんだ、と信じている一方で、家には母象の「彼氏」が、内縁の夫として住み込み、生活を共に。

その内縁象のことを「おじさん」と呼んで彼女は育った。叔父でもなんでもない。

「生きていくためにこのおじさんと暮らしている。ママはおじさんを愛しているわけではない」とかなんとか。

 

ママは一人で苦労してお前を育てた。今度はお前がかわいそうなママに恩返ししないとね。

 

大学時代、みんなキャッキャ遊んでる時代、盛り上がってる時間でも「あたしママが待ってるから帰る」が常なんだけど、

もういい加減そーゆーのやめなよ!ってなって、ママの望む時間に帰らなくなると、母象は「倒れる」つまり病気になり入院する。

象さんは面倒みるために「早く帰る」が普通になる。

ものすごい「引力」で、娘を物理的に近くに置く。

 

当然、象さんは当時の我々(この時代、話題といえばたいていが恋愛のことだった)の話を冷ややかに見ながらも、次第に「羨ましい」と思うようになっていく。

「彼氏ができるって楽しいことなのかなあ?」みたいに。

で、親しい仲の男の子ができると、母象は倒れ、彼氏もろとも母の使いっ走りにさせられる。

男の子は次第にその「境遇」が狂ってる!と気づき、去っていく。

 

卒業した。就職した。ママが倒れた。

会社辞めて、もともとママが始めた自営の「塾」に専念する。

 

んなことやってりゃ誰でも息苦しくなる。

彼女は過食と拒食を繰り返すようになった。

 

そんな折、母象は「おじさん」と入籍することになった。

 

なんだ!ママは愛なんかないって言ってたけど、結局そういうこと?

「戸籍上、わたしは天涯孤独になったんだ。。。。」

 

そんなことを考えながらボーっと歩いていた時、ふと目に留まった占い師の前に座ってみた。

名前、生年月日、あと何だか?を聞いてなにやら弾いただけで占い師は絶句し、

「あなた、本当に辛い人生を、、、」と言って泣いた、号泣したんだって。

そして、母象と象さんは双子星?みたいなもん?で、どちらかが浮けばどちらかが沈む。

象さんが楽しくしていれば母象が病気になり、母象の良い時は象さんの最悪な時だ。

 

確かに実績上、その通りだ。

 

そして

「あなたはそういう星の下に生まれついている。気の毒に」

と言ってまた泣いたらしい。

 

「あまりに泣かれたので、そうか、わたしはそんなに不幸なのか。不幸な星の下に生まれた子って本当にいるんだ。それが自分なんだ」

って納得したよ、って彼女は言った。

 

それを聞いた時

待てよ、それは新たな「呪い」じゃないのかなあ、、、ってなんとなく思った。

そして彼女は鬱になり、顔から笑みというものが完全になくなった。

30になるかならないか頃のことね。

 

 

 

(続く)