パリ仕入れの旅

昨年からパリに行きたくて、師匠の仕入れに同行させて欲しいとお願いしていて、ようやく叶い、行って来ました

イチゴの七宝ピアス(仕入れ品)

わたしの作るものの傾向がどうしてもイタリア的になってしまい、それはそれでまあいいのですが、フランスにはフランス特有のセンスがあり、その肌感覚を知りたかった。何か新しいインスピレーションを得たいのです。

通常ならせめて2週間ぐらいは最低でも過ごしたいところですが、今回は滞在が短くてもいいと思いました。

パリは3度目。
といっても前回はミラノ在住時に友人を訪ねてふらっと遊びに行ったので、街のあちこちを観察するというふうでもなく、ただ遊んで過ごしただけ。

そこから数えて実に10数年ぶりのパリ。

街の人たち(つまりパリジャン)が、あまりにも親切で感じがよく、驚いたというか拍子抜けしたというか。

初めてパリを訪れた時に感じた「強烈な感じ悪さ」はどこにも見当たらず、まるで別な人たちの国になったかのようです。

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それにはわたし自身がイタリア生活を経て、南ヨーロッパ的なひとつの文化プラットフォームに慣れ親しんでいるせいで特に目新しさや違和感を感じなくなったことも関係しているのかなと考えましたが、何か人々が根本的に変わったように感じました。

わたしが初めてパリに行ったのは二十歳ですから、それから30年で世代が完全に交代したのでしょうか。

今では誰もが積極的に、しかも丁寧に英語を話してくれるし、仮にフランス語のみの対応でも、とても感じがよく、最終的には気分よくコミュニケーションを終了させることができます。

いったい何が起きたのだろう?

ひとつにはますます多人種化が進むパリで、多様な人種の存在に人々が慣れ、「いわゆるフランス的でないもの」に対して理解なのか諦観なのか、寛容さが生まれたのではないか、もうひとつは「iPhoneとFacebook」に代表される世界共通のコモディティの影響も確実にあるのではないか、と勝手に解釈してみました。
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例えばその辺のカフェに入って、わたしが必ずすることは、Wi-Fiのパスワードを聞くことですが、iPhoneのUIはみんな共通です。そこに表示されている文字が日本語であろうとアラビア語であろうと、皆同じ場所に同じパスワードを入れるわけで、ネットがつながれば地図を開いたり、Instagramに投稿したり、皆同じ行動をするわけです。きれいなものを見つけたらすかさず写真を取るのも同じです。

以前は「なんでも写真を撮る」といったら日本人はじめアジア人の専売特許でしたが、今では誰もが写真を撮ります。だって、iPhoneがあるんですから。

そこに何がしかの「安心感」、つまり外見や言語や文化は違っても「旅行者」のすることは皆同じ、という予測されたアクションがある限り、見知らぬ人を微笑ましく見守ることができる、という心理が働くのではないかと思ったわけです。

人間は「知らないもの、知らないこと、理解できないこと」に恐れや恐怖を感じるものだとどこかで聞いたことがありますが、行動が読める限りは恐れるに足りず、ということかもしれません。

そんなわけですから、実に気分良く、この短い滞在を終えることができました。

 

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さて、アクセサリーパーツの仕入れですが、師匠と一緒に問屋めぐり。

師匠が向かう問屋さんは、最初はすんなりと扉を開いてくれなかったところもあるといいます。3年がかりで通って、ようやく倉庫の中に通してもらえるようになったところもあると。

わたしは本当にいい師匠に巡り会えた、と思っています。きれいなもの、洒落たものを生み出すクリエイティビティやアイディア、テクニックはもちろんですが、何よりもその情熱に感服しています。

で、倉庫の中に入ると、とにかく、大量に「ある」のです。しかも、どれもが洒落ています。

大量のもの中から、時間をかけて選びに選んで発注する。ここで必要なのは選ぶセンスだけではなく、「根気と情熱」です。
何しろ、アイテム選び、数量決定、プライス交渉、これらは何一つシステマティック(日本のように)ではありません。

わたしははもう完全にお手上げでした。

ものがありすぎて選べない。あればいいってもんじゃない。5分ぐらいでもう無理だと思いました。

そして悟りました。「選ぶ根気と情熱」は師匠に任せて、わたしはやっぱり、パーツは師匠から買えばいい。

その代わり、気に入った製品の買い付けは喜んでやりました。それらは今後、紹介していきます。

 

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まあ、とにかくパリはオシャレでした。何もかもが洗練されている。計算し尽くされている。

わたしにとって第二の故郷みたいなイタリアも、おしゃれに関してはすごいものがありますが、フランスはちょっと違うのです。もっと深い奥行きがあります。

いずれ、街のおしゃれスナップを紹介していきますね。

 

そしてやっぱり5泊程度の滞在では不満なので、いずれもう少し長く行きたいと思いました。