記憶の固執 〜家族をめぐる時計の話

記憶の固執 〜家族をめぐる時計の話

  父の病気が発覚した後で、わたしは時計を修理に出した。     とは言え、わたしはもう軽く20年以上、時計をしない人間だ。 まず1つの、というか最大にして合理的な理由が、「失くすから」で、 大学入学時に父親が買ってくれたカルティエ(って言っても可愛らしいやつだよ)を、わずか1週間で紛失するという罰当たりなことをやらかし、 というか やらかしたという意識すらない、「気づいたら「なかった」んだもん」、というわたしの弁に父は 「お前のだらしなさはどうしようもない!」と怒...Read More